〜本有引力〜

本と本がつながりますように

伊藤亜紗さん✕池上ブックスタジオ トークイベント開催しました!

先週末の9月23日(土)、美学者の伊藤亜紗さんを池上ブックスタジオにお招きして、トークイベント「今だから話したい。本と居場所とまちのこと」を開催しました。

販売用の本も用意して、準備完了。

朝、聞き手の二人と一緒に池上駅まで亜紗さんを迎えに行き、おしゃべりをしながらスタジオまで移動。天候がよければ打合せをしながらもっとまちを歩いてもよかったのですが、薄っすら雨の残る天候だったので、早めにスタジオに来ていただいて、雑談も交えつつ簡単に打合せ。

午後から池上ブックスタジオは通常営業するため、トーク後はいったん会場をバラす必要がありました。そのため、イベントの進行としてはやや異例ですが、開場後、お越しいただいたお客さんには、自由に亜紗さんと話したり本にサインをいただいたりすることもOKに。トーク前から壇上と客席がなじむ、なんとも不思議で楽しい場となりました。

そして始まったトークは、想像をはるかに超えて楽しく、深いものになりました(これから配信でご視聴いただく方もいらっしゃると思うので詳細は控えます。ぜひご覧いただきたいと思います!)

トークが始まって早々に「一体どこまで行くのだろう?」と驚くほど深いところまで話が掘り下げられ、思わず時計で残りの時間を確認して少し心配に感じるほどでしたが、そこからの話の流れのなんと鮮やかなこと。壇上からも客席からも、笑いが溢れつつ、時にぐっと集中したモードに入る。そのバランスの絶妙さを支えていたのは、亜紗さんの言葉の使い方の妙だと感じます。

身近なことをテーマにしながら、スムーズに言語化するのが決して簡単とは言えないようなことが、今回のトークでは軸になっていたように思います。それに対して、誰にでも伝わる語彙で、そこに亜紗さんならではの解釈や発想の広がりを付与したうえで、聞き手に投げかける。語彙も付与されたイメージも実に具体的だから、聞き手はその意外さに驚きつつも深く納得する。そして何よりもそれがおもしろさに満ちている。

トークのなかで、亜紗さんはそうした言葉の使い方・生み出し方を「おもしろい“おもちゃ”をつくる感じ」と表現されていましたが、まさに膝を打つ思いでした。言葉や概念は、人と人とがやり取りをしたり考えを深めるための道具。であるならば、それは楽しく使えるものであったらいい。

トーク中、私は写真撮影を中心に裏方に回っていたので、断片的ながらメモを取りながら聞くことができました。そのメモを改めて読み直してみると、本当に印象的なキーワードがたくさん散りばめられていました。

さまざまな話が繰り広げられましたが、なんといっても重要なのは、本の言葉はすべて誤解されるものであるということ。そして、そのような言葉が種として蒔かれ、誰かに届いて芽吹き、その人のなかで実り、そしてまた新たな種となって蒔かれること。誤解される種として。

トークの抜粋としては、これだけで十分に誤解を招く表現だと思いますが(笑)、池上ブックスタジオという場ならではの、そしてこの場限りの、貴重なお話を伺うことができました。トークや講演に多数出演し、インタビュー記事もたくさん読むことのできる亜紗さんですが、ほかにはないユニークな、魅力的なお話だったと思います。

今週末10月1日(日)12時〜、そのトークを配信致します(1週間の見逃し配信アリ)。

 

「今だから話したい。本と居場所とまちのこと」ゲスト:伊藤亜紗さん(配信版)

※チケットはこちら

<配信概要>

■ 日時
2023年 10月1日(日)12:00~13:15

■ 出演
伊藤亜紗(いとう・あさ)さん
佐瀬優子(させ・ゆうこ) アトリエ言景主宰/池上ブックスタジオ「はいくや」「まちよみ」棚主
荻野章太(おぎの・しょうた) 東急株式会社/池上ブックスタジオ「Bruno Ogino」棚主


■ 視聴料
1,200円(配信日より約一週間 10月8日11:55まで視聴可能)
※チケット購入は10月2日 11:50 まで可能。


■ 主催・企画:さるうさぎブックス  Baobab Design Company
■ 撮影・技術:堤方4306 youtube

 

よかったらぜひ、ご覧いただければ嬉しいです。亜紗さんの本から始まった種、ぜひ受け取ってください。

イベント後、サインをする亜紗さん。手描きイラスト入り!

トーク後、亜紗さんとスタッフチームでランチ打ち上げ。Try Many Times Clubのビリヤニは、亜紗さんも絶賛の美味しさ!