〜本有引力〜

本と本がつながりますように

池上ブックスタジオ オクトーバーフェスト!!

(つい更新が半年以上空いてしまうのはお約束なので、もう言い訳もせず……)

本日10月19日(土)、池上ブックスタジオでオクトーバーフェスト開催!

……ところで、オクトーバーフェストのこと、ご存じでしょうか?

横浜ほか各地でオクトーバーフェストと銘打ったイベントが広く行われているので、「ビールのお祭り」ということは認知されているかもしれません。

オクトーバーフェストとは、南ドイツ、バイエルン州ミュンヘンで毎年開催される、巨大なビールのお祭りです。もとは、1810年10月に、ルートヴィヒ王太子ザクセン皇女テレーゼの結婚式を市民が祝ったお祭りに由来します。徐々に華やかになったお祭りは、現在は9月半ば〜10月上旬にかけての16日間開催され、巨大なテントのなかでマース(=1㍑)ジョッキで提供されるビールを楽しみます。バイエルンの伝統衣装を着た人たちによる盛大なパレードや、音楽の演奏などもあり、会場はとにかく陽気な雰囲気。

「会場はとにかく陽気な雰囲気。」……と書いたように、実は私も、実際に訪れたことがあります。大学院生だった2003年の8月〜9月、ドイツを中心に2ヶ月ほどヨーロッパをぶらりと回る旅に出ましたが、その終着点はミュンヘン、ちょうどオクトーバーフェストの開幕に照準を合わせていったのでした。

交換留学プログラムで自分のいた大学に来ていたミュンヘン大学の留学生と、日本出発前に約束をして、次期の留学生(留学は10月から新しい期がスタート)を紹介してもらいつつ、一緒にオクトーバーフェストを楽しむことにしたのです。

片手にジョッキを5つ、つまり10㍑ものビールを持って(人によってはもっと!)サーブする女性たちから受け取ったビールを、はじめは留学生チームと歓談しながら、でも次第に気分がよくなってきて、隣り合うテーブルの人たちとも交ざり合って、美味しく楽しくいただく。

六時ともなると座っている人の方が少ない。ほとんどは今まで座っていたベンチに立つか、(行儀が悪いと聞いていたのだが)グラスはあっても皿は下げられたテーブルに上がっていた。人々がバンドに合わせて歌ううち、騒がしさも活気もいや増しになる。隣の人と腕を組み、曲に合わせて危なっかしいほど体を揺らしている人も多い。時とともに歌声も話し声も大きくなり、人々は追加のビールを頼んでは飲み干す。(中略)お開きの一〇時はまだ先だというのに、声はかれ、軽く目まいがするだけでなく、まわりの見知らぬ人たちが何人も親友のようになっている。
ロブ・デサール 、イアン・タッターソル 『ビールの自然誌』(ニキ リンコ、三中信宏 訳、勁草書房、2020)

この箇所を読んだときに思わず膝を打ったほど、会場の様子はまさにこのとおりです。そのときの写真、恥ずかしくてとてもここには出せませんが、私自身も会場の雰囲気と一体になり楽しみました。
(そして翌日、見事に二日酔いに襲われつつ、2ヶ月の旅路を終えて帰路に就いたのでした)

それではなぜ池上ブックスタジオでオクトーバーフェストを?ということについて。池上ブックスタジオは開業時から、なぜかドイツと縁のある方が多く、「いずれドイツ祭りをしましょう!」ということは以前から話をしていました。

そして、私自身も世話人として関わっている「池上こどものまち」という活動のモデルである「ミニ・ミュンヘンに、今夏、世話人代表であり、池上ブックスタジオの棚主仲間でもあるはいくやさんが視察に行ってきました。(ミニ・ミュンヘンについてはこちら)

www.mi-mue.com

その報告会(と収録。後日配信もあります)が、今日、ノミガワスタジオ(=池上ブックスタジオの母体)で行われます。

【スペシャル・リポート】ミニ・ミュンヘンってこんなところ!

10月、ミュンヘン、池上……これはまたとない機会だと思い、いよいよドイツ企画を「池上オクトーバーフェスト」として開催することにした次第です。

といっても、大きなジョッキでビールを飲み明かす催しではありません(笑)。キーワードは「ドイツ」と「ビール」。まずは、この2つに関わる本を並べます。
※池上ブックスタジオは、本屋です。

「ドイツ」関連でいえば、日本の読者にもなじみの深い、ミヒャエル・エンデ(『モモ』『はてしない物語』など)やプロイスラー(『大どろぼうホッツェンプロッツ』『クラバート』など)の本について、一部についてはドイツ語版の展示などもあります。
※販売ではなく展示のみの本もあります。

「ビール関連」でいえば、上記に引用した『ビールの自然誌』も楽しいですし、もやしもん」8巻オクトーバーフェストにも関わるビール回。そのほかビールのアンソロジーなども用意しております。また、ビールの放課後さんの棚にも魅力的なビール本がたくさん。

せっかくならビールも飲みたいですよね。
池上ブックスタジオでは、ビールもご提供しております。こだわりの味を楽しめる地元のビール・大森山王ブルワリーのクラフトビールをぜひお楽しみください。

omorisannobrewery.tokyo

今日はまたちょっと気温が高くなりそうでしょうか、ビールを飲むにはうってつけ! ドイツ・ビール・本を楽しめる一日になりますように! Prost(乾杯)!!🍻

また、ドイツ&ビールの本は、しばらくさるうさぎブックスの棚に並べる予定です。本日いらっしゃれない方も、ぜひまたお越しください。