K-BOOKフェスティバルと、(ひとり)K-BOOKフェア
韓国の⽂学、エッセイから絵本、⼈⽂書までここ数年次々と刊⾏され、⽇本国内でも55万部を超える売り上げる作品も登場するなど、“K-BOOK”⼈気が⾼まっています。K-BOOKフェスティバルは、いま話題の“K-BOOK”をこよなく愛する⼈たちの「もっと読みたい、もっと知りたい」という声にお応えする本のお祭りです。



11月23日(土)12:00~18:00
※18:30~20:00 BOOK MEETS NEXT連動企画トークイベント開催予定
11月24日(日)11:00~18:00
@出版クラブビル 3・4F(東京都千代田区神田神保町1-32)
11月22日(金)〜終了未定 @池上ブックスタジオ(東京都大田区池上4-11-1 第五朝日ビル1F)
※池上ブックスタジオは、毎週金曜(13:30〜18:00)、土曜日(12:30〜18:00)オープン
池上ブックスタジオ オクトーバーフェスト!!
(つい更新が半年以上空いてしまうのはお約束なので、もう言い訳もせず……)
本日10月19日(土)、池上ブックスタジオでオクトーバーフェスト開催!
……ところで、「オクトーバーフェスト」のこと、ご存じでしょうか?
横浜ほか各地でオクトーバーフェストと銘打ったイベントが広く行われているので、「ビールのお祭り」ということは認知されているかもしれません。
オクトーバーフェストとは、南ドイツ、バイエルン州のミュンヘンで毎年開催される、巨大なビールのお祭りです。もとは、1810年10月に、ルートヴィヒ王太子とザクセン皇女テレーゼの結婚式を市民が祝ったお祭りに由来します。徐々に華やかになったお祭りは、現在は9月半ば〜10月上旬にかけての16日間開催され、巨大なテントのなかでマース(=1㍑)ジョッキで提供されるビールを楽しみます。バイエルンの伝統衣装を着た人たちによる盛大なパレードや、音楽の演奏などもあり、会場はとにかく陽気な雰囲気。

「会場はとにかく陽気な雰囲気。」……と書いたように、実は私も、実際に訪れたことがあります。大学院生だった2003年の8月〜9月、ドイツを中心に2ヶ月ほどヨーロッパをぶらりと回る旅に出ましたが、その終着点はミュンヘン、ちょうどオクトーバーフェストの開幕に照準を合わせていったのでした。




交換留学プログラムで自分のいた大学に来ていたミュンヘン大学の留学生と、日本出発前に約束をして、次期の留学生(留学は10月から新しい期がスタート)を紹介してもらいつつ、一緒にオクトーバーフェストを楽しむことにしたのです。
片手にジョッキを5つ、つまり10㍑ものビールを持って(人によってはもっと!)サーブする女性たちから受け取ったビールを、はじめは留学生チームと歓談しながら、でも次第に気分がよくなってきて、隣り合うテーブルの人たちとも交ざり合って、美味しく楽しくいただく。
六時ともなると座っている人の方が少ない。ほとんどは今まで座っていたベンチに立つか、(行儀が悪いと聞いていたのだが)グラスはあっても皿は下げられたテーブルに上がっていた。人々がバンドに合わせて歌ううち、騒がしさも活気もいや増しになる。隣の人と腕を組み、曲に合わせて危なっかしいほど体を揺らしている人も多い。時とともに歌声も話し声も大きくなり、人々は追加のビールを頼んでは飲み干す。(中略)お開きの一〇時はまだ先だというのに、声はかれ、軽く目まいがするだけでなく、まわりの見知らぬ人たちが何人も親友のようになっている。
ロブ・デサール 、イアン・タッターソル 『ビールの自然誌』(ニキ リンコ、三中信宏 訳、勁草書房、2020)
この箇所を読んだときに思わず膝を打ったほど、会場の様子はまさにこのとおりです。そのときの写真、恥ずかしくてとてもここには出せませんが、私自身も会場の雰囲気と一体になり楽しみました。
(そして翌日、見事に二日酔いに襲われつつ、2ヶ月の旅路を終えて帰路に就いたのでした)
それではなぜ池上ブックスタジオでオクトーバーフェストを?ということについて。池上ブックスタジオは開業時から、なぜかドイツと縁のある方が多く、「いずれドイツ祭りをしましょう!」ということは以前から話をしていました。
そして、私自身も世話人として関わっている「池上こどものまち」という活動のモデルである「ミニ・ミュンヘン」に、今夏、世話人代表であり、池上ブックスタジオの棚主仲間でもあるはいくやさんが視察に行ってきました。(ミニ・ミュンヘンについてはこちら)
その報告会(と収録。後日配信もあります)が、今日、ノミガワスタジオ(=池上ブックスタジオの母体)で行われます。
10月、ミュンヘン、池上……これはまたとない機会だと思い、いよいよドイツ企画を「池上オクトーバーフェスト」として開催することにした次第です。

といっても、大きなジョッキでビールを飲み明かす催しではありません(笑)。キーワードは「ドイツ」と「ビール」。まずは、この2つに関わる本を並べます。
※池上ブックスタジオは、本屋です。
「ドイツ」関連でいえば、日本の読者にもなじみの深い、ミヒャエル・エンデ(『モモ』『はてしない物語』など)やプロイスラー(『大どろぼうホッツェンプロッツ』『クラバート』など)の本について、一部についてはドイツ語版の展示などもあります。
※販売ではなく展示のみの本もあります。
「ビール関連」でいえば、上記に引用した『ビールの自然誌』も楽しいですし、「もやしもん」8巻はオクトーバーフェストにも関わるビール回。そのほかビールのアンソロジーなども用意しております。また、ビールの放課後さんの棚にも魅力的なビール本がたくさん。


せっかくならビールも飲みたいですよね。
池上ブックスタジオでは、ビールもご提供しております。こだわりの味を楽しめる地元のビール・大森山王ブルワリーのクラフトビールをぜひお楽しみください。
今日はまたちょっと気温が高くなりそうでしょうか、ビールを飲むにはうってつけ! ドイツ・ビール・本を楽しめる一日になりますように! Prost(乾杯)!!🍻
また、ドイツ&ビールの本は、しばらくさるうさぎブックスの棚に並べる予定です。本日いらっしゃれない方も、ぜひまたお越しください。
私の、灯台の本(ユーラシアの西端から)
「灯台の本」といって思い浮かぶもの、いろいろあると思います。
池上ブックスタジオの棚主さんたちにも、ぜひ一緒に本を並べましょうとお誘いをしたところ、自分の知らないたくさんの本の準備を進めてくれていて、私自身も見るのが楽しみです。
今日は一つだけ、自分にとっての大事な「灯台の本」を紹介します。
まずはその印象的な場面の引用から。
わたしは部屋のドアを開けた。天井に目をやると、空が見えた。どこまでも碧く、澄んだ空が目に痛かった。信じられないような部屋だった。ベッドも、洋服箪笥も、チェストもあるのに、屋根だけがほとんどそっくりなかったのだ。あそこの残った屋根も、いつ落ちてもおかしくないの、灯台守の奥さんが言った。ここにいちゃいけないわ。少しだけ時間をください、わたしは言った。まさか、いまのいま、くずれ落ちることもないでしょう。わたしはベッドにからだを伸ばして、許しを乞うた。すみませんが、このベッドで少しだけ横にならせてください。これがぼくのわかれの挨拶です。このベッドに横になるのもこれで最後になりますから。ベッドに横になったわたしをみて、灯台守の奥さんは気をきかせ、部屋の外に出てくれた。わたしは空を見上げた。考えてみれば不思議なものだ、若い頃はこの碧さが自分のもの、自分の一部のように思いつづけていた。それがいまは、あまりにも碧すぎて、とおい相手になってしまった。まるで幻覚を見ているようだ。わたしは思った、嘘みたいだ、こんなことはありえっこない。自分がまたこのベッドに寝ているなんて。あの頃、夜ごと見つめた天井がいまはなく、代わりに、かつては自分のものだった空をこんな風にながめているなんて。わたしはからだを起こし、老婦人を探しに行った。彼女は廊下でわたしを待っていた。最後のお願いです、わたしは言った。もうひとつ部屋を見せてくれませんか? 客間でしたらありませんよ、灯台守の奥さんは答えた。屋根が落ちたときに、いっしょに全部こわれてしまいました。家具はみんな夫がはこび出しましたし。一目だけでいいんです、わたしは言った。でも、なかには入れませんよ。夫が言うには、床も歩くと危険らしいの。わたしはドアを開け、部屋のなかをうかがった。そこはからっぽだった。屋根もそっくりなくなっていた。窓の向こうに灯台が見えた。夫はあそこです、灯台守の奥さんが言った。でも、もう眠っている頃ね、この時間はなにもすることがありませんから。頑固なひとで、家にももどらず、ああして灯台のなかで眠るんです。あの灯台でぼくがなにをしていたかわかりますか? わたしは訊いた。じつを言うと、ゲームをしていたんです。眠れなくなると、この部屋に来ては、窓のところに立つんです。灯台には明滅する三つの光がありますよね。白、緑、それに赤。ぼくはその光で遊んでいました。光のアルファベットをこしらえて、灯台を使っておしゃべりをしていたんです。だれとおしゃべりしていましたの? 灯台守の奥さんがたずねた。なにか、目には見えない存在と。当時、ぼくは物語を書いていました。それで、亡霊と話をしていたんです。まあ、おどろいた、灯台守の奥さんが声を上げた。あなた、亡霊とお話する勇気をおもちなの? すべきことではありません、わたしは言った。亡霊と話すひとなんて、ひとには勧められることじゃない。やってはいけないことだ。でも、うまく説明はできませんが、ときどき彼らと話をする必要があるんです。それもまた、ぼくがここに来た理由のひとつです。
イタリアの作家、アントニオ・タブッキ『レクイエム』(鈴木昭裕訳、白水社)のなかの一節です。主人公は、いまはもういない人の後を追って、真夏のリスボンの街を彷徨い、さまざまな人と出会い言葉を交わします。
リスボン市中からカスカイス行きの市電に乗って、岬の灯台をのぞむ家にやってきた主人公が、かつて一年ほど暮らしたことのあるというその家を、管理している灯台守の奥さんに頼んで見せてもらう場面。
この部分を読んだとき、屋根のない天井の上に広がる空の様子が、実際に目に見ているように浮かびました。ほかにも印象的な、イメージの浮かぶ場面の多いこの物語ですが、そのなかでもひときわ美しい一節だと思っています。
2012年3月、作者のアントニオ・タブッキは病気のために亡くなったのですが、その直後にTwitterで不思議な投稿(とアカウント)を見つけました。
ちょうどそのとき、イタリア現代文学についての連載の企画編集をしていたこともあり、興味を引かれてその朗読会に参加しました。当日は、荻窪の小さな空間に20人ほど?の人が集まり、熱心な愛読者からその日初めてタブッキを読むという人まで、それぞれに思い思いにタブッキの言葉を朗読したのでした。
そこで私が読んだのが、さきほど引用した部分だったのです(碧色部分。改めて読んでみて印象的だったので、段落全部、引用しました)。
この場面が好きなのは、何よりもイメージを喚起するその言葉のちからによるのですが、もう一つ、この『レクイエム』の映画も影響しています。
これは朗読会よりも後のことだったかと思いますが、イタリア文化会館のイベントで観た映画『レクイエム』。小説の世界を見事に映像化した、素晴らしい作品でした。
その映画のなかの、灯台の家を訪れる場面。そこで映っていた灯台は、私がかつて訪れたことがある場所だったのです。

これはリスボンの西にある、ユーラシア大陸最西端の岬・ロカ岬(カスカイスよりもやや北に位置しています)。大学院を修了するときの旅の終着点が、このロカ岬でした(この写真はそのときに撮影したもの・2005)。
小説の文章からイメージした灯台とはちょっと異なる姿だったけれど、個人的に強く思い出に残っている土地と、好きな小説の特に好きな場面とが重なり、なんとも言えない感慨が生じたことを、いまでもよく覚えています。
そんないろいろな記憶の重なる、私の「灯台の本」のご紹介でした。
展示当日、はたしてどんな「灯台の本」が並ぶでしょうか。
また、ぜひ皆さんにとっての「灯台の本」を教えてください。
* * * * * * * * * * * * * * *
【第3回 灯台ペーパークラフト展覧会】
6月7日(金) 14:00〜18:00
6月8日(土) 12:30〜18:00 ※さるうさぎブックスがお店番
@池上ブックスタジオ
東京都大田区池上4-11-1第五朝日ビル1階
ノミガワスタジオ内(東急池上線池上駅より徒歩7分)

灯台展と、灯台の本
すっかりご無沙汰してしまっております(ほぼ定型文)
久しぶりに、池上ブックスタジオでお店番に入ることになり、またそれに伴いイベントを開催しますので(私はサポート)、そのお知らせです。
ノミガワスタジオ(※「池上ブックスタジオ」はその機能の一部、というかたちです)を通じて、本当にたくさんの、ユニークな方々との出会いがあります。
今回の企画は、そのうちの一人、小さな「灯台博士」の企画です。

6月7日(金)・8日(土)の2日間、灯台が大好きで大好きな小学5年生の少年が、灯台のペーパークラフトを展示し(なんとこれでもう3回目!)、会場ではポストカードに灯台を描いてくれるそうです。
描いてほしい灯台(会場内にリストアップしたファイルなどで)を言っていただくと、その灯台を目の前で似顔絵ならぬ“似灯台絵描き”をしてくれるとのこと!
イベントのメインはあくまで灯台博士の展示ですが、せっかく灯台の企画をするのだから、テーマ選書がモットーのさるうさぎブックスとしては、「灯台本」を並べたい、となるわけです。
自分の蔵書、灯台博士の蔵書、ほかの棚主の選書、等々、販売もあれば展示のみのものもありますが、さまざまな「灯台の本」を取り揃えてお待ちしております。
知る人ぞ知る「灯台の本屋さん」からの本も用意したいと思います。
本が希望の灯火となりますように。ぜひ遊びにきてください!

【第3回 灯台ペーパークラフト展覧会】
6月7日(金) 14:00〜18:00
6月8日(土) 12:30〜18:00 ※さるうさぎブックスがお店番
@池上ブックスタジオ
東京都大田区池上4-11-1第五朝日ビル1階
ノミガワスタジオ内(東急池上線池上駅より徒歩7分)
「お弁当とおしゃべりのポットラック」on 1/13
すっかり遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願い致します。
元日から、非常につらく厳しい出来事が続いております。能登での震災をはじめ、被害に遭われた・遭われている方々に、心よりお見舞い申し上げます。少しでも早く安心を得られますよう、心より祈念しております。
* * * * * * * * * * * * * *
池上ブックスタジオは、先週末より本年の営業を開始しております。
そして今週末、1月13日(土)は、私・さるうさぎブックスが久しぶりにお店番に入ります。
現在の私の棚のテーマは「お弁当」。それに絡めて、この週末は「お弁当とおしゃべりのポットラック」と題してお店番をしたいと思います。

……といっても、特別な仕掛けはございません。自分の棚にある本を中心に、「お弁当」にまつわる本を並べておきます。それらを手にとっていただきながら、みなさんの「お弁当」の思い出・記憶について、ぜひお話しいただければ嬉しいです。
昨年12月に参加した「おうち、」@ルーサイトギャラリー では、「お弁当」をテーマに出店メンバーのいろいろな話を聞き(その冊子も、今回並べます)、またお弁当にまつわる本を並べるために自分でいろいろと読んでみました。
お弁当にまつわる記憶は、甘く楽しいものから、酸っぱい・苦いものまで、実に多種多様で、本当におもしろい。
よろしければぜひ、皆さんの「お弁当」の記憶を携えて、遊びに来てください。